2020建設機械総合カタログ

2020建設機械総合カタログ
  • "01報情品商携提器機境環 人も、また企業にあっても、その今日の姿の過半は歴史が形作ったものです。私どもエクセン株式会社は、1915(大正4)年に林自動車製作所として創業し、純国産の第一号自動車を設計製作した創業者 曽祖父 林茂木のもと、自動車の製作、修理を業としてまいりました。1934(昭和 9)年国鉄信濃川発電所工事に用いられることとなったフランス製のバイブレータと出会い、この研究製作に取り組みました。コンクリートの質を良くするという意味から「コンクリート調質機」として 1938(昭和 13)年わが国で最初の特許を取得し、以来その製造販売を生業としてきました。この年は、東京都営小河内ダムが着工した年でもあり、ダムコンクリート打設用大型バイブレータも考案、製作されました。私どものバイブレータは満州松花江ダム、朝鮮鴨緑江ダム、九州塚原ダムなど(呼称は当時)土木工事に欠かせない建設機械としての地位を築いてきました。 敗戦後の 1947(昭和 22)年創業の地浜松町に工場再建。進駐軍からは「コンクリート工事には必ずバイブレータを使用せよ」との指令も出され、1949(昭和 24)年「株式会社林製作所」となりました。そして、二代目社長林義郭のもとに販社たる林バイブレータ株式会社を創設、「ハヤシのバイブレータ」として、土木、建築などあらゆるコンクリート工事に対応する専業メーカーとして佐久間ダム、関門トンネル、東京タワー、東海道新幹線、東名高速道路、霞ヶ関ビルなど日本中の工事において、良いコンクリート作りのお手伝いをしてまいりました。 また 1983(昭和 58)年からは振動技術を生かした製品群をもって、フローエイドシステムなど粉粒体を扱う産業分野にも進出。さらに、道路カッターやダイヤモンド・ドリルそして食品機械といった分野にも幅を広げ、振動機械の総合メーカーとしての地位を築きました。 1988(昭和 63)年には製販統合して新生「林バイブレータ株式会社」に、1991(平成 3)年には社名も「エクセン株式会社」となりました。工法の変化に応じて「現場打ちから二次製品へ」の流れを先取りし、完全な締め固めと低騒音化を達成した世界最新最大のセグメント打設設備など、東京湾横断道路工事やコンクリート二次製品業界での技術や設備のお手伝いも事業の柱になっています。 三代目社長林秀一のもとでは「締め固め」と同様にコンクリート品質と寿命に影響を及ぼす「打設後の養生」に視点を据えた「環境機器」の事業も開始し、コンクリートバイブレータの更なる進化、そして 100 年もつコンクリートを実現すべく邁進しています。 要約すると、私たちはコンクリートを締め固める技術と、その為のバイブレータという製品を核とし、振動応用技術とその製品をもって、曽祖父の創業から105年を迎えた今も今後も世の中のお役に立つ企業であり続けたいということです。 近年、自然災害や地震が頻発し、「想定外」の災害が年々増加し、従来の防災意識、社会インフラでは対応ができなくなりつつあります。人口減少、公共事業費削減、地域格差、更には建設業就業者の減少と、我々建設業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。 2015 年12月より国交省も建設現場の生産性を向上させる取組として「i-Construction( アイ・コンストラクション )」を提唱し始めました。まずは過去 30 年間、生産性が向上していない土工とコンクリート工をターゲットとしています。コンクリートポンプ車で 100 □を打設するのに要する作業員数は昭和 59年度の12人に対し、平成24年度でも11人と横ばいであり、TBRやNATOMなど機械化施工が進んだトンネル工事などと比較して生産性が改善されていないと指摘されています。バイブレータ No1 メーカーとしての責任の一端を感じつつ、私たちは全社を挙げてコンクリート打設現場の生産性向上、イノベーションに取り組んでまいります。 さらに純国産第一号自動車を設計製造したDNAを活かし、建設や改修現場の生産性向上、省力化に貢献すべく、バッテリー式運搬台車の販売を開始しました。鉄道や地下鉄網が網の目のように張り巡らされた一方で、維持改修に大変な労力がかけられています。終電から始発までという限られた時間の中で、なんと人力で資材を搬入しています。一例ですが、異常降雨に対処すべく設置される防水扉は1枚500kgもあり、階段を10人以上の人力で運んでいます。この人手不足の時代に夜中に重量物を運ぶ作業者を集めるだけでも大変な苦労と費用がかかります。そんな現場にもエンジンを使わずにバッテリーで駆動し無線操縦でき、階段で 500kg、平地で1000kgの重量物を安全に搬送するバッテリートラックが活躍します。鉄道のみならず、工場設備の維持補修、仮設、施工現場や人が立ち入れない現場など幅広い用途で使うことが可能です。 2020年、最も困難な課題は「人が足りない」という現実です。 私どもはこの大きな課題にエクセンの製品を通じて取り組み、社会に貢献する事をお約束いたします。さらに過去数年間このカタログ作成コスト削減の為に割愛してしまっていた「良いコンクリートとバイブレータ」のページに「養生の基礎」を付記して再掲しました。 このカタログが現場の皆さまのお役に立つことを願い、当社製品へのご愛顧をお願い申し上げ、ご挨拶といたします。        2020(令和2)年 3月  エクセン株式会社           四代目代表取締役社長 林 哲平 敬白ご挨拶 --1/1-- "